女性疾病について知ろう

女性特有の病気にはどんなものがあるかご存知でしょうか。
知らなくては、保険の特約として必要かどうか検討しようがないです。
女性の病気、女性疾病、婦人病など言い方は様々ですが、どんな病気があるのか、
病気になったら入院や治療にどれぐらい費用と日数がかかるのか、
保険の検討において重要と考えられる病気から順にまとめていきます。

 

<主要な女性特有の病気(女性疾病)>
①乳がん
②子宮頸がん
③子宮内膜症
④子宮筋腫
⑤卵巣嚢腫

 

 女性の病気① 乳がん

最近、芸能人の方々の乳がん発見があったためか、病院での乳がん検診の予約がいっぱいで1,2ヶ月待ちと言われました。
また、乳がんに関わらず、20代~50代では女性のがん患者数が男性を上回ります。
女性は若いうちからがんに敏感であるべきだと思います。

アフラック

※アフラックのHPより

 

その中でも、乳がん」になる年代は30代後半から急激に増え、40代後半でピークになります。
ですが、20代で乳がんになった方もたくさんいるので、油断は禁物です。
乳がんは女性の30~64歳の死因のトップです。
12人に1人がかかると言われています。
乳がんの生存率は、早期発見できれば生存率90%以上です。
他のがんと比べて治りやすいがんではあります。
ただし、乳がんには進行度はTis期~Ⅳ期と進行が進んでいき、
Ⅳ期まで進んでしまうと、生存率約30%となってしまうため、早期発見(Tis期~Ⅰ期)がとても重要ながんです。
患者の3割が再発(転移)し、残念ながら年間1万人以上の方が亡くなっています。
乳がんにかかりやすい年齢は、40代半ばから60代後半にかけて発見されるケースが多いですが、70代、80代の女性で年々増えており、また20代、30代の若い世代にまで広がっています。
幅広い年齢層で、全体的に増えています。
乳がんには、女性ホルモン(エストロゲン)が関わっており、
エストロゲンの分泌される期間が長いと乳がんのリスクが高まります。
エストロゲンに長くさらされる状態とは、3つあります。
①初潮年齢の低下・閉経年齢の上昇
②出産年齢の上昇(30歳以上で出産未経験)
③肥満・長期間のホルモン補充療法など

 

乳がんの症状

乳がんは、乳腺に発生する悪性腫瘍のことです。
発見されるときの主な所見や症状は、
●しこり
●皮膚の陥没・えくぼ・ひきつれ
●乳頭の陥没・ひきつれ
●乳頭・乳輪の湿疹・びらん
●乳頭からの分泌液
●乳房の膨大感(発赤・痛みを伴う)
●わきの下のしこり

しこりに触れたときの硬さは、硬い消しゴム、硬くなったチーズのようで、初期の場合は痛みはないことが多いです。
体調に変化がでたり、食欲がなくなるなどの変化はほとんどありません。

 

乳がんの検診

検診の検査は、触診以外に画像検査が2種類あります。
検診を受ける人の年齢によっても有効な検査は違っているのでご注意ください。
①マンモグラフィ検査
<長所>
●超早期の発見
小さなしこりや乳がんの初期症状である「微細な石灰化」をうつし出し、
超早期に発見することができます。
<短所>
●痛い
少ない放射線でしこりをはっきり写すため、乳房を圧迫して、できるだけ薄く引き延ばして機械で挟みます。
かなり乳房が潰されるので痛いです。
●微量の放射線被爆がある
1回の撮影で浴びる量は微量ですが、妊娠中は検査を受けられません。
30歳代以下の乳房では、しこり発見が難しい
若い女性の乳房は、乳腺が発達していて密度が高く、乳房全体が白っぽく写り、しこりが隠れて発見しにくくなります。
※私が29歳で受診したときは、全体が白すぎで乳がんがあるかどうか分からないと言われました。
痛い思いをして受けたのに悲しかったです。
②超音波(エコー)検査
乳房に超音波を当て、反射してくる波(エコー)を画像化し、その様子を診る検査です。
横になり、乳房にゼリーをぬって(冷たい)から、乳房の上で超音波を出す機械を動かします。
<長所>
●非触知のがん発見
手に触れないごく小さなしこりを見つけることができます。
●若年者にも有利な検査
乳腺の濃度が高く、マンモグラフィでは発見しにくい若い女性(20代~30代)のしこりも発見することができます。
●検査中の痛みや被爆なし
<短所>
マンモグラフィで見つかるような微細石灰化を見つけるのことはできません。

 

乳がん治療

乳がん治療の方法としては、乳房全摘出の場合もありますが、乳房を残す治療法もあります。
乳がんの進行によって選択肢は変わります。

 

乳がんは、乳管の膜を破ってしまうと、比較的早い時期からリンパ管や血管に入り、リンパや血液にのって全身に流れ、遠隔転移を起こしやすいといわれています。
そのため、乳房の中のがん細胞に対する治療(局所療法)と、乳房以外に存在するかもしれないがん細胞に対する治療(全身療法)があります。

 

局所療法・・・・手術、放射線治療
●手術
手術で、乳房内のがんの病巣を取り除きます。
手術は、胸の筋肉-大胸筋から大きく切除する方法から、できるだけ小さく切除して乳房を残す方法へと変わってきています。
現在、乳房温存手術が、半数以上を占めるようになりました。
●放射線治療
乳房を残す手術では、乳房内に目に見えないほどの微小ながん細胞が残っているかもしれないので、
放射線治療で乳房に外から高エネルギーのX線をあて、がん細胞の増殖を抑えたり、死滅させたりします。
また、再発・転移部位にも放射線照射が行なわれることがあります。

全身療法・・・抗がん剤治療、ホルモン療法
●抗がん剤治療
抗がん剤で、繰り返しがん細胞を攻撃し死滅させる治療です。
ほとんどの場合、抗がん剤治療は外来で行われます。
効果と副作用、患者の生活スタイルなども考え合わせて治療計画を立てます。
なお、手術をする前に化学療法を行い、はじめにがん腫瘍を小さくして、乳房温存術を行なうこともあります。
●ホルモン療法
乳がん細胞の発生、増殖に関わる女性ホルモン(エストロゲン)を作るのをおさえたり、エストロゲンの働きを抑えたりして、がん細胞の増殖を阻みます。
飲み薬や注射があります。
長いスパンで、治療が行なわれます。

治療計画は下記の項目を目安として決められます。
●腫瘍の大きさ
●エストロゲン受容体の有無(ホルモン依存性かどうか)
●年齢(閉経状況)
●リンパ節転移があるか
●がんの悪性度合
●治療効果と副作用

 

乳がんにかかる費用

がん治療はかなりの長期間に渡るので、医療費も高額になります。
一人ひとりの病状に応じて治療を組み合わせるので、治療計画によって費用も大きく異なります。
健康保険がきかない医療費もあります。
しかし、医療費の自己負担額が高額になった場合にある額以上の支払いが免除される制度(高額療養費制度)や、
確定申告すれば税金が返却される(医療費控除)など、いくつかの制度があります。
また、治療のために休職や退職をし、収入が減った場合に収入の減少を補てんする制度(傷病手当金)もあります。
乳がんの特徴は、手術以外に放射線や抗がん薬、ホルモン薬などによる治療で、長期間にわたって治療費がかかることとも言われています

 

手術が必要となる乳がん発見1年目は、高額療養費制度を使用するぐらいの費用がかかることが予想されます。
低所得者や上位所得者でない一般の方は、
高額療養費制度を活用すると、1ヶ月間の自己負担額が多くても、約8万円を超えた分が払い戻されます。
1年間のうちに該当月が3回以上ある場合、4回目以降は約4.5万円が上限負担額となります。
そのため、毎月上限額を超える金額の負担になったとしても、
保険適用内の医療費としては、年間60万円程度が上限となっております。
最新医療やベット差額代などは別途必要となります。
乳房温存術の場合は、術後に1~2カ月放射線照射を行うのが標準治療です。
放射線療法25回照射の場合、保険3割負担額としては約15~21万円が目安となります。
乳がんは遠隔転移を起こしやすいがんですので、
手術後も、抗がん剤治療、ホルモン療法での治療が継続する可能性があります。
主に通院での治療となりますが、費用は月数万円程度かかることがあります。
手術後の乳房再建をする場合、、乳房再建手術には健康保険が適用されます。
但し、人工乳房の素材など、一部保険適用外のものもありますので、詳しくは病院に確認してください。
保険適用時の負担額は、約10万円~30万円程度かかります。
他にも費用がかかることとしては、以下のことが考えられます。
●リンパ浮腫
リンパ節を取り除く手術を行った場合、リンパの流れが悪くなるので腕や手にむくむことがあり、
むくみ防止用の弾性サポーターを使用したりマッサージを行う場合があります。
●化学療法の副作用による脱毛のため、かつらや帽子が必要になるケースもあります。
個人の進行度や希望、病院の計画方針などにより、かかる費用は様々です。
ただ、治療費は大きくかかってしまうので、備えは必須だと言えます。

 

 女性の病気② 子宮がん

●子宮頸がん・・・子宮の入り口にできるがん
●子宮体がん・・・子宮の奥、赤ちゃんが育つところにできるがん。

 

<子宮頸がん>

子宮頸がんにかかるリスクは、20歳代後半から増えはじめ、30~40歳代がピークとなります。

子宮頸がんの原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染が原因です。
性経験がある女性の約8割が一生に一度は感染するといわれていますが、ほとんどの場合は本人の免疫力によってウイルスは消失します。

子宮頸がんの予防法は、定期的ながん検診が重要です。
子宮頸がんは、初期段階ではほとんど自覚症状はなく、がんが進行してからでないと不正出血やおりものの増加など症状が現れません。
子宮頸がんの予防は、子宮頸部の細胞の検査で異常を早期発見することであり、定期的な検診が大切です。
特に妊娠・出産を考えているなら、子宮や命を守るためと思って、定期的な検診をおすすめします。
最近では、自治体(市区町村)が満20歳以上の女性などに2年度に1回検診料の一部を負担し、検診の受診による早期発見・早期治療を呼び掛けているところが多いです。

子宮頸がんの一般的な治療法は、手術です。
子宮全摘出となる場合もありますので、将来妊娠を希望する場合は、十分に担当医と話し合って納得した上で治療を受けることが大切です。
術前後や遠隔転移の状況により、放射線治療や抗がん剤治療をする可能性もあります。

 

<子宮体がん>

子宮体がん(子宮内膜がん)は子宮内膜という組織に悪性(がん)細胞が認められる病気です。
子宮体がんを疑う症状としては、帯下(おりもの)異常、下腹部の痛み、腰の痛みなどがあります。
子宮体がんの治療は、手術でがんを取り除くことが基本になります。
状態やがんの進行度に応じて、放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン療法を組み合わせて行います。
早期発見でなければ、子宮全摘出の可能性が高いです。

 

 女性の病気③ 子宮内膜症

子宮内膜症とは、本来、子宮内腔にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮内膜様の組織が、子宮以外の場所にできる病気です。
子宮内膜症にかかる女性は10人に1人といわれています。

子宮以外の場所にできた子宮内膜も、本来の子宮の周期と同じような変化が起こります。
つまり、月経期になると子宮以外の場所にできた子宮内膜も剥離・出血しますが、血液や内膜を体外に出すことができず、体内に溜まります。
結果、チョコレート嚢胞ができたり、諸臓器との癒着が起こります。

子宮内膜症の症状で一番わかりやすいのは、月経痛です。
月経痛は年々ひどくなります。
また、不妊症の原因にもなります。

病気の進行の程度や症状、将来子どもが欲しいかどうかなどによって、治療法が選択されます。
ホルモン療法、もしくはホルモン療法ではかばかしい効果がない場合は、手術という方法もあります。

 

 女性の病気④ 子宮筋腫

子宮筋腫は子宮の筋肉から発生する良性の腫瘍です。それ自体が生命を脅かすものではありません。
複数個できることが多く、数や大きさはさまざまです。
大きさやできた場所によって症状が違ってきます。
できた場所によって、子宮の内側(粘膜下筋腫)、子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)、子宮の外側(漿膜下筋腫)に分けられています。

症状は、できた場所によって異なります。
子宮の内側にできた筋腫は小さくても症状が強く、月経量が多くなります。
子宮の外側にできた筋腫は相当大きくなっても症状がでません。
場所や大きさによっては、妊娠しにくくなったり、流産しやすくなったりすることもあります。
 
治療法には手術と薬があります。
自覚症状がなければ大きくても治療の必要はありません。
手術では子宮を取ってしまう(子宮全摘術)のと筋腫だけ取る手術(筋腫核出術)があります。
薬の治療では閉経状態にしてしまう治療が行われます。

 

 女性の病気⑤ 卵巣のう腫

卵巣にできる腫瘍の9割以上が良性腫瘍であり、その良性腫瘍の中で一番多いのが、卵巣のう腫です。
分泌物などがたまってできるプリプリした袋状のタイプの腫瘍であり、袋の中身によっていくつかに分類されています。
髪の毛や歯、骨、皮膚などが含まれているのが、「類皮のう腫」、子宮内膜症が原因で起こる「チョコレートのう腫」、
卵巣の表面をおおう上皮から発生しサラッとした液体がたまる「漿液性のう腫」、
ゼラチンのようにドロドロした粘液がたまる「粘液性のう腫」などいろいろな種類があります。
卵巣のう腫は若い人にも多いのが特徴です。
 
のう腫ができてもほとんど症状がありません。
大きくなると、突然下腹部の激しい痛みが起こり、ショック状態に陥ったり、嘔吐を起こすことがあります。
チョコレートのう腫は、閉経して女性ホルモンの分泌が止まれば自然に小さくなってきますが、
ほかの卵巣のう腫の多くは、放っておいて消えることはありません。

4~5cm以上になると手術による摘出が必要になります。
入院期間も4~5日程度で行う腹腔鏡下手術が主流となってきています。

 

 

以上の病気が、女性特有の病気の中でも代表的なものです。

保険商品の説明書に「女性特有の病気に対して」や「女性疾病に手厚い」などの言葉を見つけたら、
その病気や疾病が何を指すのかをはっきりと把握するようにして欲しいです。

ぼんやりとしたまま契約してしまうと、無駄な保険料を負担してしまう原因になってしまいます。
保険を紹介してくれるFPや保険スタッフに質問し、しっかりと納得したうえで保険加入されることをおすすめします。

 

※女性特有の病気について、十分に調べて記載しておりますが、
誤っている表記がございましたらご連絡を頂けると幸いです。
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